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4月 2018

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4月22日(日)、麹町にあるグリーンパレス東京。ちょうど20回目になるという中頓別町故郷会の懇親会にお招きいただき、村山義明議長と一緒に出席させて頂きました。

私の出席は今年で3回目になります。今回の参加者は32名でした。私の親より少し上の世代から一番若い世代でも私の10歳上の方々なので、この会に出席させていただく前から知っているのはお二人だけです。それでも、中頓別に残られている参加者の同級生の話など、尽きないほど話がつながっていきます。皆さんが過ごされていた頃からみると人口が大きく減っているため、心配していろいろな助言も頂きます。故郷を思う大先輩の皆さんの思いに感激し、勇気が湧いてきます。酒席のなかで、この会を将来どうしていくのかという議論もされていましたが、何より、皆さんがお元気で長く続けて頂けることが有難いと思います。ぜひ、これからも楽しく懇親しながら集まる機会をなくさないようにお願いしました。

今年ははじめて2次会にも出席。毎年恒例ということらしいですが、市ヶ谷駅近くの寿司屋さんに参加者の3分の2くらいの方が流れ、とても盛り上がっていました。中頓別に親類が残っていて時々帰るという方もしますが、すでに親類もすべて町を離れてしまっていく機会がなくなったという話も聞きました。私も、これからは出来るだけ故郷・中頓別の様子をお伝えする努力をしなければいけないなと感じました。昨年から「なかとん牛乳」をお届けしていますが、とても喜んで飲んでいただきました。来年以降、お届けできる産品を増やせたらいいとも感じています。いろいろ取り組んできていることの成果を早く出していきたいと思います。

懇親会の始まった時には気温は27℃を超え、ホテルから会場まで歩くだけで汗ばむような一日で、中頓別の真夏みたいな気候でした。スマホで挨拶用に調べ、今朝の中頓別が0.2℃しかなかったこと、気象データとしては昨日で中頓別の残雪はゼロに、ただしお隣の音威子府はまだ90センチ近く残っているという話をすると皆さんとても驚かれていました。東京と中頓別、ほんとうに遠いなと思います。でも、故郷のことを忘れずにこうして集まって下さっていることを考えると心の距離はとても近くにあります。お招きいただけるなら、これからも楽しみに、この会に参加させて頂きたいと思います。

 

昨日、4月16日、特別養護老人ホーム長寿園に就職された職員の方に、町からの「就職祝金」を贈呈しました。これは4月から制度化された祝金贈呈第1号です。贈らせて頂いたのは中頓別出身の松浦亜美さん、この春で浜頓別高校を卒業しての就職。高校生の時から同施設でボランティア活動を行っており、水沢清二施設長をはじめ職員のみなさんも松浦さんの就職をとても喜んで迎えていました。

中頓別では、いきいきふるさと推進条例を制定して、これまでも転入者、子育て、結婚などへの支援やお祝い金贈呈などを行ってきました。平成4年にスタートし状況の変化や財政上の理由などにより制度改正を重ねてきた経緯がありますが、私が町長になってからの3年間でも見直しを行い制度の充実を図ってきています。

ここ3年の見直しでは、まず、3年前から結婚祝として一組30万円を贈ることにしたほか、昨年度から子育て支援でそれまで3万円だったお祝いを10万円とし、さらに第3子からは30万円に贈るようにしました。転入支援として生活情報誌の配布、子育て支援では絵本のプレゼントなどはそのまま継続しています。このほか、結婚、出産、就職のお祝金はすべて町長からの手渡しにさせてもらうことにもしています。金品以上に、気持ちを伝えることを大切にしたいという思いからで、町民の代表として大切な役割にひとつと考えています。

これらに加えて今年4月から、新たに次のように見直しを行いました。

 ①転入者へ「なかとん牛乳」牛乳プレゼント(引換券900cc×4本分)

 ②就職祝金(商品券5万円分)の贈呈

 ③高校通学家庭支援制度(各年度、通学バス定期代1/2補助12か月分か商品券10万円分)

これらの制度が目的とするところは、この町で暮らす人に住み続けてもらうことにあります。もちろん、これだけをやってそうなるということではなく、移住や定住促進のためのさまざまな施策の組み合わせのなかにこの制度があるという位置づけになります。

町としては、若い世代の働く場の確保と合わせて子ども・子育て支援と教育の充実を最重点課題として取り組んできました。結婚から妊娠期、出産、乳幼児期、義務教育、高校や大学、さらにはUターンして就職した場合までを一貫して、子どもとその保護者に寄り添いながら支援していくことが大切だと考えています。あらためて、このブログでもこれらの制度の全体について説明をさせてもらいたいと思いますが、ここでは「いきいきふるさと推進事業」の紹介にとどめます。

こうした祝金は、市町村によって制度が大きく異なります。農山漁村の小さな自治体が手厚くなっているように思いますが、それだけ人口減少の問題、定住対策に苦労しているということだと思います。地域のみなさんに喜ばれている制度であることは間違いありませんが、単発の施策としてだけではなく結果に結びつくような他の対策もしっかり取り組んでいきたいと思います。

いきいきふるさと推進条例に基づく事業の全体は下表のとおりです。お祝金贈呈の機会が増え私の日程調整がつかないくらい忙しくなったら・・・、そうなることを願っています。

移住定住促進事業

転入支援    生活情報誌、なかとん牛乳引換券配布(900ml×4本)

就職祝金    商品券5万円

就学支援事業

バス通学生・・・通学用バス定期運賃補助事業 バス定期運賃の5割の額×12か月分

町外へ進学・・・高等学校等通学家庭補助事業 商品券10万円分

子育て支援事業

出生祝     第1子・第2子・・・10万円(うち商品券5万円)

        第3子以降  ・・・30万円(うち商品券5万円)

絵本プレゼント

結婚支援事業 結婚祝金    一組 30万円

 今年3月、宗谷町村会が㈱K.A.M rich foodsと包括連携協定を締結しました。

地区町村会を単位とする協定そのものも珍しいことですが、提携先が外食を営む民間企業というのはとても異例なことだと思います。宗谷管内は、海の幸を中心にとても恵まれた食の宝庫です。ホタテ日本一の猿払村、毛ガニ日本一の枝幸町、有名な利尻昆布があり、その他たくさんの海産物に恵まれています。農業はほとんどが酪農ですが、離島を除く7市町村でな全道の8.4%にあたる32万tを生産しています。ちなみに、中頓別は水産のない酪農の町ではありますが、生産量はもっとも低い1万7千tとなっています。

さて、㈱K.A.M rich foodsですが、北海道炭焼きイタリアン酒場炭リッチ、炭焼和酒場炭リッチ、産直北海道定食屋北海堂などの店舗のほか、知内町のかき小屋知内番屋などを指定管理者として運営しています。同社と宗谷町村会をつないだのは会長である工藤栄光豊富町長で、昨年春に枝幸町で開催された宗谷町村会臨時総会に同社の平野健太社長と、工藤町長が長く親交のあるSANWA INC.オーナーの福士豊氏をゲストに迎えて講演してもらいました。豊富町はそれ以前からのお付き合いがあったようですが、それを機に礼文町が積極的に動かれていて、すでに両町ゆかりの料理が炭リッチなどで提供されています。今年1月の宗谷町村会定期総会で包括連携協定を締結する方針を決め、冒頭に述べたとおり3月に坂本宗谷総合振興局長が立ち会いのもとで調印式が行われています。

 

 

 

 

 

 

4月9日月曜日、私は、札幌の炭リッチ総本店で平野社長と福士氏に会って話をさせて頂くことができました。残念ながら中頓別にはすぐにお店で使ってもらえるような商材がありません。率直に事情をお話させて頂いたうえで、どんな可能性が考えられるのか意見を伺っています。基本的には地元の牛乳を使ったものということで、炭リッチのメニューにあるチーズが使われている料理などをご馳走になりながら、いろいろな話を聞かせて頂くことができました。

時間はかかるかもしれませんが、関係者などと相談しながらできることを探っていきたいと思います。

 

 

   新年度最初の出張で札幌です。

中頓別バスターミナルから7時27分発の天北線バスに乗車、音威子府駅からJRを利用し旭川での乗り継ぎを経て札幌に到着するのが11時55分となります。片道ほぼ4時間半かかる移動時間です。

最近は、JR北海道の路線見直し問題がクローズアップされ道内市町村にとっても大変大きな課題となっています。宗谷線も名寄から稚内間が不採算ゆえ廃止が危惧された時期もありましたが、今は、存続させることが基本的な考え方となっています。ただ、不採算ゆえに車両だけでなく施設の老朽化が進み、冬期間などは運休や大幅な遅れが出てしまうことが増えてきました。エゾシカ等の野生生物との事故もこれに加わります。会議等の時刻に間に合うように着けるかどうか不安に感じながら移動することがよくあります。かつて安全性と時間の正確さが売りだったはずのJRですが、いまはそこが大きく揺らいでいます。利用者の減少、コスト削減、信頼性の低下、利用者の減少・・・。負のスパイラルを断ち切ることが存続の最大の課題なのだと思います。

 

さて、中頓別の地域公共交通の問題。昨年6月になかとんべつライドシェアについて書かせて頂いた際にも触れていますが、この天北線バス路線の存続が大きな課題です。もともとJR天北線が走っていたところからのバス転換。赤字ローカル線のなかでも延長が150km近かった天北線をバスに転換してひとつの路線として輸送するというのは当初から無理があったと思います。しかし、国から交付された転換交付金の運用で中長期的に存続可能として代替輸送が始められています。鉄路の廃止が沿線市町村の人口減少や経済の衰退にどう影響したのかを詳細に計ることは難しいですが、いずれにしても予想を超えて人口が減少し、それに伴ってバス利用者も大きく減少しました。経営の赤字は転換交付金を積んだ基金から穴埋めしてきましたが、その交付金も長期にわたって低金利が続き、想定した果実が生まれず原資を切り崩す状況となりました。このままでは基金が底をつくことが見えていて、対策が急務となっています。しかし、沿線市町村の事情がそれぞれ違いますので合意形成を図ることは簡単ではなく、いまだに抜本的な見直しを実現するに至っていないのが現状です。私自身、職員時代からこの問題に携わってきているので、何とかしなければならないと強く思う課題でもあります。

それゆえに、こうしてバスとJRで移動するたびに地域公共交通の未来について考えずにはいられなくなります。頭の中で堂々巡りするだけなのが歯がゆいですが、町にとっての最も合理的なしくみを考えること、関係市町村間の調整の成り立たせること、地域住民の理解を得ること、この三つを実現できる解を探す努力にしっかり取り組んでいかなければなりません。公共交通を空白にすることは地域住民だけでなく、外から入ってくる人にとってもネガティブな印象を与えかねないという問題もあります。固定観念に縛られず、利用者本位で地域交通の新しいしくみづくりに挑戦してみたいと考えています。

今朝の天北線バスは、中頓別で降車した人がひとりで乗車したのも私ひとり、浜頓別方面から3人の方が私といっしょに音威子府まで同乗しましたが、この間の乗降はゼロでした。バスの車窓には、愛おしい中頓別の景色が流れていきます。今朝は天気もよく、敏音知岳やペンケ、パンケの山並みを背景とする眺めは本当に美しいと思いました。こんな車窓の風景をいつまでも続く安心の公共交通を利用して眺められる日が来るよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。

      今日は、4月6日(金)。ふたつの春の話題をお届けします。ひとつは入学式、もうひとつは、新しいお菓子屋さんのオープンの話です。

午前10時。中頓別小学校の入学式に出席しました。新しい一年生は13人、全校生徒は65名となります。私がこの小学校に入学したのは昭和42年ですが、今の全校生徒の数とその当時の新入生の数はほぼ同じくらい。当時は小さいけれどもほかに6校の小学校が町内にありました。12年前に敏音知小学校、9年前に小頓別小学校が統合されて町の小学校がひとつになりました。これからしばらく人数の凹凸はありますが、1学年平均10名前後で推移していく見込みです。

 

午後は中頓別中学校の入学式。中頓別小学校を卒業した12名の子どものうち2人が転出、新たに2人が転入したため同数の12名が入学しました。3月に卒業生が17名いたので、在学生は36人です。中頓別中学校も私が卒業した学校ですが、卒業した48年は卒業生がまだ50名を超えていました。町内にはほかにまだ3校の中学校が残っていました。小学校同様、9年前に小頓別中学校を統合して町内1中学校となって9年です。全校生徒が40名を切ってしまいました。

数は少なくなったとはいえ、子どもは宝。むしろ少なくなったからこそ大切な宝物。こどもたちにとっても、町にとっても希望の春です。田邊教育長の口癖は「子どもは未来からの留学生」で、この子たちのために、町としてできる最大限の支援に取り組んでいかなければと決意を新たにしました。

中頓別小学校の入学式度と同じ時間、もうひとつの嬉しい春、中野商店がオープンしました。お店の前も店内も贈られたたくさんの花で飾られています。みんなの喜びの大きさであり、期待の大きさでもあります。お客さんも後を絶たず大盛況でした。買い物は妻に任せていましたが、お目当ての商品は目の前で品切れに。明日以降の楽しみに取っておくことになりました(^_^)。

中野商店の店主は、この3月まで中頓別町の地域おこし協力隊員だった中野巧都さん。22歳の独立で、昨年秋に閉店したとらや菓子店を引き継ぎ、今日、改装オープンさせました。後継者がいないまま閉店する商店が多いなか、昨年の焼肉「和」さんに続く、とっても嬉しい話題です。

これからが大変だと思いますが、頼もしい家族やたくさんの応援団が支えてくれていますし、何より本人がしっかりやり遂げてくれると信じています。とてもとても素晴らしい青年です。これからの活躍に期待したいと思います。

昨年6月になかとんべつライドシェアについて書きました。続編が遅れましたが、少しずつフォローしていきたいと思います。

3月22日、平成29年度における最後の中頓別町シェアリング研究会が開催され報告書の内容などが議論されました。残念ながら私は出席できませんでしたが、中身の濃い報告内容が議論されています。

UBER動画 → https://youtu.be/Ni4Hnvso8sk

平成28年8月からはじまったライドシェアの実証実験。2年目となる昨年度は、まず、初年度にとりまとめた以下3つの論点について検討しています。

  • 持続的な交通体系の確立に向けた検討
  • 町外ニーズを踏まえた広域的な連携に向けての検討
  • より多くのボランティア・ドライバーと利用者の創出に向けての検討

もっとも大きな論点は「持続的・・・」のところで、運行費用、つまり利用者が経費をどう負担するか(できるか)です。初年度は燃料費までボランティア負担でスタートしたところから、29年度では燃料代とシステム利用料など実費を負担して頂くスタイルへとステップアップしました。もともとは、ただで乗せてもらうのは申し訳ないという利用者の声がはじまりでした。実際に実費収受した後は利用者が減るという事態になりましたが、次第に利用者は増加しています。なかとんべつライドシェアは、既存の公共交通制度の枠外での実証実験のため、有償化して料金を頂くことが認められていません。既存制度にのると運行管理者などのコストが大きくなるなど課題もあるため、どのように費用負担の仕組みをつくって持続的な交通体系として確立できるのかが最大の課題と言えます。

このことを踏まえた上で、シェアリング研究会は、

  • 広域的な事業実施
  • 既存公共交通制度の検証
  • 中頓別町全体の交通体系のあり方

について調査・検討を進めてきました。加えて、広くシェアリング・コミュニティの視点で、交通以外の社会資源の活用として、民泊やファミリーサポートセンター事業などの可能性や利用促進についても検討しています。

広域的な事業に関しては、地域住民が乗り降りする起終点のいずれかが町外になるケースへの対応が課題となります。中頓別が起点で町外へ移動する場合はこれまでも対応していますが、その逆が課題となります。観光などのニーズとなれば、最初から起点が町外となり、これら起終点となる市町村やそこで事業を営む交通事業者にも配慮したしくみをつくる必要が出てきます。容易な課題ではなく、まずはライドシェアに関する共通理解という土壌作りから始めなければならないなど、時間をかけて乗り越え、実現をめざしていきたいと考えています。

既存公共交通制度の検証は、ライドシェア実証実験の報告の際、国土交通省から求められている課題でもあります。国としても交通空白地域で公共交通を確保できるよう制度を設けていて、その活用を促すというのは当然だと考えています。もともと既存制度によらないライドシェアの実証実験に踏み出したのは、将来的な費用負担が大きな課題となるからでした。路線バスやタクシー利用助成など、すでに地域住民の交通確保のために多額の負担をしている現状があり、将来的にはこれらを減らさなければならないというミッションを持って新たな取り組みを模索した結果がライドシェアです。次の課題と絡む話になりますが、最初から費用負担を増やす前提で入るのではなく、地域交通の在り方を抜本的に変えようという軸足は変えないという基本的な考え方に立っての検証でしたが、やはり、先駆的な取り組みで交通空白地域での地域公共交通の事業を進めている各自治体、事業者ともに課題を抱えている現状が見えてきました。

最後に、中頓別町全体の交通体系のあり方の検討です。すでに述べたとおり、中頓別では路線バス、ハイヤー利用助成、病院患者送迎、スクールバスなどで多くの費用負担をしています。最大の問題はJR天北線の廃線後に運行された長大な路線バスの運行継続にかかっている費用負担で、このために交付された転換交付金で継続できる限界がすぐそこまで来ているのが現状です。国の補助路線の対象となるための要件に合致できなくなれば、さらに大きな負担が圧し掛かってきます。そうなる前に沿線市町村で抜本的な対策を講じる必要がありますが、長年続けてきた議論もいい結果を見つけ出せずに来ました。まずは、それぞれの市町村がそれぞれに地域内のニーズを明確にしていくことが必要との考えに立って、現状の分析を試みています。さらに詳細な分析を加えていきながら、地域公共交通の全体を再構築できるよう検討を重ねていく必要があると考えています。

なかとんべつライドシェアは、3年目の実証実験を続けることにしています。三か年計画の最終年度でもありますので、どう成果を出して、これからのしくみづくりにつなげていけるか正念場です。

ライドシェア事業の紹介(町ホームページ)→ http://www.town.nakatombetsu.hokkaido.jp/bunya/5299

 

  中頓別観光地域づくり。これまで2年以上を時間をかけて計画づくり、推進のかなめとなる組織(DMO)の在り方を検討してきました。今年は、いよいよDMOを立ち上げをめざし、前に進めていくことになります。

3月28日、フォーラムを開催。これまでの取り組みを報告するとともに、DMO組織と役割について具体的なイメージを提起しました。中頓別の場合、たくさんの人が訪れる観光地をめざしていくことは考えられません。しかし、これまで観光振興のために多くの人が思いを持って取り組んできた歴史があり、その成果として整備されてきたたくさんの資源も残されています。いま観光を考えるにあたっては、こうした歴史や現状を前向きに捉えつつ、新しい取り組みを地域づくりに生かしていくという考え方に立つことが大切だと思っています。観光振興を地域づくりに活かす、こうした基本的考え方に立って進めていこうとするのが、「中頓別観光地域づくり」です。

中頓別では、鍾乳洞、砂金掘り体験場、スキー場、遊園地、農業体験交流施設、温泉宿泊施設、オートキャンプ場、コテージ、道の駅、自然学校などがありますが、場所が離れているだけでなく運営主体も分散しています。最初からすべてを一元化することは難しいですが、これらのうちピンネシリ地区にあるもの、収益力が見込めるところをまとめていく。また、機能的なところでも、宿泊施設運営の機能、観光協会の機能、自然学校の機能、農業体験交流施設の機能をまず一つにしていく。ここをDMOのスタート地点として位置付けています。これまで作り上げてきた観光資源を磨きなおして『稼ぐ力』を引き出し、施設経営、商品開発、情報発信を高め、様々なネットワークをつなげていけるよう取り組んでいく決意です。

 

 

 

 

 

まずは、こうした考え方、今回の提起をより多くの町民に理解していただくことが大切だと考えています。これまでもフォーラムの開催、計画概要版やパンフレットの配布、広報等でお知らせしながら進めてきてはいますが、まだまだ多様な意見があるように思います。関係団体等の合意形成をしっかり図って前に進めていきたいと考えています。

パンフレットはこちらから → 中頓別町観光地域づくり推進パンフ

4月2日月曜日。午前10時から中頓別認定こども園の入園式が行われ私も出席してお祝いの言葉を贈らせて頂きました。

こども園は、今年3月で13名が卒園、4月からは新入児9名が加わり今日現在で36名が在園することになりました。職員では前園長が副園長となり新任の園長を採用、今年度中に0歳児の入園希望者が増える見込みのため、保育士も1名増員(1名退職、2名採用)しています。

中頓別認定こども園は、北海道第1号の認定こども園です。もともと町立の保育所と幼稚園があり、子どもの数が減少することを見越して統合を決めました。町にとっては行政改革的な一面がありましたが、子どもの保育、教育の充実を図ることをめざした様々な取り組みに注力してきています。施設も統合を機に新築され、それ以来、職員たちはとても頑張ってこども園を運営してきました。高橋はるみ北海道知事も訪問してくれたことがあるくらいで、その努力は高く評価されてきています。

そのこども園にこの4月から新しい園長として相座豊氏を迎えました。相座園長は、小中学校4校での校長経験を経て3月で幌延小学校校長を最後に定年退職しています。中頓別でも敏音知小学校、中頓別小学校で教頭を務めていて、子どもや保護者からも人気があり、とても高い評価を受けていました。相座氏にはこども園のほか放課後子どもプランの充実やこども園と小中学校との連携を高めていく役割も担ってもらうことにしています。

子どもたちへの教育に対しては、3年前に迎えた田邊彰宏教育長の強い思いがあります。中頓別はこども園、小学校、中学校が各1校ずつですから、幼少中一貫教育を実現し、一人一人の個性を引き出しながらそれぞれの能力を高めていけるような環境を創れると思っています。塾のほか習い事ができる教室もない地域ゆえに、放課後や休日を含めた子どもたちの活動全体を町として考えていかなければならないという責任も感じます。田邊教育長の強いリーダーシップと相座新園長のこれまでの経験を活かして頂き、これまでこども園を引っ張ってきた職員たちと力を合わせ前進していくことを期待しています。

残雪が多いものの春らしい明るい日差しの中で行われたこども園の入園式。愛らしい子どもたちの姿に癒されました。この子どもたちを大切に育むための環境づくりに努めていきたいと思います。

さて、入園式を終えた午後。峰友地域生活安全協会長、向江中頓別駐在所長といっしょに、まもなく小学校へ入学する新一年生のお宅を訪問し、帽子とランドセルカバーを届けて回りました。町はもちろん子ども・子育て支援に力を入れていますが、町内には子どもたちの安全を守るために頑張ってくれている多くの組織や町民がいます。交通安全や防犯活動に取り組み地域生活安全協会、子ども安全パトロール隊などです。みんなで力を合わせて、子どもたちが交通事故や犯罪に巻き込まれることがないまちづくりを進めていきたいと思います。

4月2日月曜日、今日から新年度の執務がスタートしました。

最初にすべての職員を集めて私から訓示を行いました。今回は、多くの新入職員の紹介があるため簡潔の終わられましたが、職務遂行に関する基本的な事項のほか、職員の健康管理について気を付けるようにお願いしました。昨年度末、職員の健康診断結果をあらたまて確認させてもらったところ、とても心配な状況であることがわかりました。私を含めてですが年齢の職員にも課題が多いことは確かですが、20代など若い職員がそれ以上に悪いという結果に驚かされました。職員の健康あっての仕事です。新年度を迎えたことを機に、リフレッシュして心身とも健康な職員集団をつくっていけるよう努力したいと思います。

さて、今年度の新入職員です。まずは、子ども園園長。この春で定年退職された校長先生を迎え、幼児教育の充実を図ることになります。次に農林水産省との人事交流で迎えた入省3年目の職員を産業課に配置しました。町としてははじめての国との交流人事になり、中頓別からも農林水産省食料産業局に職員を派遣していて期間は2年間となります。保健師と保育士は1名ずつ退職していますが、各2名ずつを採用しました。それぞれ退職を控えた職員がいるため、早めに採用してしっかり育てるための過員配置としています。このほか、社会人採用の土木技師1名、上級職新規採用2名、消防職員1名、国保病院の看護師2名が加わったので、近年にない華やかで賑やかな新年度のスタートとなりました。

 

  4月1日、新年度を迎えました。

今日は、日曜日ではありますが、中頓別町の自治記念式を開催しました。これは、大正10年4月1日に頓別村から分村して中頓別村が誕生したのを記念して毎年この日に記念式を開催しているものです。分村から97年の歴史を積上げてきたことになります。

これとは別に、中頓別では10年ごとに開拓と町制施行を記念する行事を行ってきています。それが来年度となり、開拓では110年、町制施行では70周年を迎えることになるため、今年度ではそれらを記念するための事業やイベントなどを計画していく予定になっています。開拓は明治42年10月に旧枝幸村に本町区域に部長が設置されたことを由来とし、町制施行は昭和24年11月に中頓別村から中頓別町に変わったところに由来しています(右の写真は97年前の頓別村からの分村を記念したものです)。

自治記念式の話に戻りますが、自治記念式では町長が式辞を行い、そのなかで一年の町政執行に関する考え方を述べることになっています。私にとっては任期の最終年にあたりますが、町の総合戦略に沿って地方創生・人口減少対策に取り組む決意を述べさせて頂きました。

さて、昨日、新聞各紙に国立社会保障・人口問題研究所が公表した2045年(平成57年)人口推計が報道されました。全国では16.3%、北海道では25.6%の人口が減り、高齢化率は全国で36.8%、北海道で42.8%になるという推計です。これでも5年前に公表された全国、全道の将来推計よりわずかながら上向きになっていますが、大都市などは別として多くの自治体では前回調査より厳しい予測になっている傾向となっているようです。

中頓別は、2045年には人口が679人(2015年1,757人、減少率61.4%)、高齢化率では道内9位の61.9%になっています。下表は、5年前と今回調査の推計結果を比較したもので、状況が一段と厳しくなっていることがわかります。いやな言葉ですが、「消滅可能性」は総合戦略策定時の認識以上に高いものだったということが言えます。このような結果は本町だけではなく宗谷管内のすべての市町村でも同様となっていて、地方創生、人口減少対策としてはこれまで以上の対策を講じていかなければならない状況にあると考えるべきだと思います。

中頓別町の人口推計における前回調査と今回調査の比較 
  2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年
前回 1,974 1,751 1,567 1,396 1,234 1,084 946  
今回   1,757 1,548 1,338 1,149 976 818 679

 

一番恐れるのは、こうした数値が公表されることで、未来をあきらめてしまう気持ちに陥ることです。根本的には、国全体の少子高齢化の進行と人口減少局面を改善していくことにありますが、その意味では、ごくわずかながらも上方修正がされたと言えます。北海道でも札幌市がけん引していますが、同様に推計がわずかながら上向きです。全国の市町村が策定した総合戦略に基づく地方創生、人口減少対策の取り組みは、この推計時点となる2015年前後から始まっています。今現在の取り組みの効果は5年後に行われる同調査を待たなければ現れてきません。全国の農山漁村の市町村とともに、怯まずに、前に進んでいかなければならないと思います。新年度は、中頓別とこの町に暮らす町民の皆さんの底力を信じ、そんな決意で臨みます。