4月1日、新年度を迎えました。

今日は、日曜日ではありますが、中頓別町の自治記念式を開催しました。これは、大正10年4月1日に頓別村から分村して中頓別村が誕生したのを記念して毎年この日に記念式を開催しているものです。分村から97年の歴史を積上げてきたことになります。

これとは別に、中頓別では10年ごとに開拓と町制施行を記念する行事を行ってきています。それが来年度となり、開拓では110年、町制施行では70周年を迎えることになるため、今年度ではそれらを記念するための事業やイベントなどを計画していく予定になっています。開拓は明治42年10月に旧枝幸村に本町区域に部長が設置されたことを由来とし、町制施行は昭和24年11月に中頓別村から中頓別町に変わったところに由来しています(右の写真は97年前の頓別村からの分村を記念したものです)。

自治記念式の話に戻りますが、自治記念式では町長が式辞を行い、そのなかで一年の町政執行に関する考え方を述べることになっています。私にとっては任期の最終年にあたりますが、町の総合戦略に沿って地方創生・人口減少対策に取り組む決意を述べさせて頂きました。

さて、昨日、新聞各紙に国立社会保障・人口問題研究所が公表した2045年(平成57年)人口推計が報道されました。全国では16.3%、北海道では25.6%の人口が減り、高齢化率は全国で36.8%、北海道で42.8%になるという推計です。これでも5年前に公表された全国、全道の将来推計よりわずかながら上向きになっていますが、大都市などは別として多くの自治体では前回調査より厳しい予測になっている傾向となっているようです。

中頓別は、2045年には人口が679人(2015年1,757人、減少率61.4%)、高齢化率では道内9位の61.9%になっています。下表は、5年前と今回調査の推計結果を比較したもので、状況が一段と厳しくなっていることがわかります。いやな言葉ですが、「消滅可能性」は総合戦略策定時の認識以上に高いものだったということが言えます。このような結果は本町だけではなく宗谷管内のすべての市町村でも同様となっていて、地方創生、人口減少対策としてはこれまで以上の対策を講じていかなければならない状況にあると考えるべきだと思います。

中頓別町の人口推計における前回調査と今回調査の比較 
  2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年
前回 1,974 1,751 1,567 1,396 1,234 1,084 946  
今回   1,757 1,548 1,338 1,149 976 818 679

 

一番恐れるのは、こうした数値が公表されることで、未来をあきらめてしまう気持ちに陥ることです。根本的には、国全体の少子高齢化の進行と人口減少局面を改善していくことにありますが、その意味では、ごくわずかながらも上方修正がされたと言えます。北海道でも札幌市がけん引していますが、同様に推計がわずかながら上向きです。全国の市町村が策定した総合戦略に基づく地方創生、人口減少対策の取り組みは、この推計時点となる2015年前後から始まっています。今現在の取り組みの効果は5年後に行われる同調査を待たなければ現れてきません。全国の農山漁村の市町村とともに、怯まずに、前に進んでいかなければならないと思います。新年度は、中頓別とこの町に暮らす町民の皆さんの底力を信じ、そんな決意で臨みます。