好天に恵まれた5月12日(土曜日)、たくさんの町民にご参加を頂いて中頓別町クリーン作戦を実施しました。今年は、中頓別小学校の土曜事業として、また認定こども園でも参観日に合わせて親子で参加してくれたこともあり当日だけで300名近い参加となっています。また、この日の前後で取り組んで頂いたところもあり、これを合わせると延べで350名を超えていて、すべての町民の2割が参加していることになります。これはほんとうにすごいことだと思います。町の職員もほとんどが参加してくれていたようです。

クリーン作戦のはじまりはいつか調べてもわかりませんでしたが、少なくとも私が町職員になった年(昭和59年)よりもかなり前から行われています。これまで本当にたくさんの町民が参加して雪解け期に大量のポイ捨てごみを回収してきた歴史があり、地域が大切にしなければならない取り組みだと思っています。

職員時代、平成10年から私もクリーン作戦を直接担当しました。それ以前は、集めたごみをそのまま処分場まで運んで終わりでしたが、2年目くらいから資源ごみを分別してリサイクルすることにしました。資源ごみとなる空き缶などは水槽の中で洗浄してから200㍑くらい入る大きなコンテナに入れて処分場まで運ぶことにしたのです。ところが思った以上にこの作業が大変で、回収されるごみの中から出てくる空き缶やペットボトルの量は膨大で、前述のコンテナで数十個分も出てきました。それまでは2時間程度ですべて終わっていた作業がお昼を過ぎても終わらず、午後まで作業が続きました。その時は大変なことを始めてしまったなと思ったものですが、それ以降、回収されるごみの量は減り続けてきました。

今年は私も最後の分別と洗浄の作業に参加しましたが、集まってくるごみの量は本当に少なく、洗浄分別した資源ごみはわずかコンテナ数個分でした。焼却するごみの量も同じ程度だったと思います。国道や道道の維持管理のなかで空き缶などを回収してくれているという事情もありますが、明らかにポイ捨ての量は減っていることを実感します。少なくとも、人口や交通量が減った割合をはるかに超える割合で回収ごみは減っています。社会の成熟とともにマナーも向上していると考えてもいいのでしょうか。

ごみ処理の問題は、町の財政にとっても、とても大きな問題です。中頓別町は、焼却ごみについては、し尿処理施設と合わせて猿払村、浜頓別町、枝幸町と一部事務組合を作って処理をしています。この施設に関しては町の負担金も重く、ようやく起債の償還がおわったものの今後は老朽化とともに維持コストが増えていきます。今は週5日24時間焼却施設は稼働していて、運転コストが大きな負担です。ここに持ち込むごみを減らすことは、施設設備の維持管理コストと稼働時間削減にともなう運転コストの削減につながっていきます。また、町単独の最終処分施設も現在供用している埋立処理場がいっぱいになる時期が近づいており、新たな処分場の建設は町にとって大きな負担となります。その時期ができるだけ遅くなるよう今の施設を持せていかなければなりません。

クリーン作戦の役割は、町をきれいにすることはもちろんですが、それ以上に、ごみを出さない、ごみが出ない社会に近づけていくことにあると思っています。心無い人がポイ捨てしたごみを回収し、資源化できるものを資源化する。このことをとおしてごみの課題を考えるきっかけになってくれているはずです。これは地球環境にとっても大切なことであり、冒頭で述べたように地域の大切な取り組みとしてこれからも続けていけることを願っています。年一回のイベントで終わらせず、町民の皆さんと力を合わせ、ごみの減量と再利用・リサイクルの促進など、普段の生活の中でできることを積上げていく取り組みにつなげていきたいと考えています。

休日の貴重な時間に参加してくれた町民、職員のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございました。